ちっぽけな奇跡のはなし
「分かりました。
じゃあ、行きましょう。
1人目は中学のときの同級生です」
巴菜はアイスミルクティーを半分まで
飲み干した。
「分かった」
「あの、あと
あなたはいつまでここにいられるんですか?」
「そうだなあ。
1ヶ月くらいかな。
来るときに、そう設定したんだ」
「そう、ですか...
なら尚更早く見つけないといけませんね」
巴菜が意気込むと、カレは笑った。
「ありがとう。
僕もね、現実と向き合うことにしたんだ。
どんな事実があっても向きあおうと思う」
カレは強い眼をしていた。