ちっぽけな奇跡のはなし
「どれくらい電車に乗るの?」
「4時間くらいです」
電車に揺られながら、答えた。
平日だから空いているのか、4人がけの
席に向かい合わせで座れた。
「長いね」
カレは少し笑って、窓の外を見た。
「あの!記念写真撮りましょう!
せっかくですし、ね?」
巴菜はカレの横に座ると、携帯を向けた。
「そうだね。撮ろうか」
カレは笑って言った。
「いきますよ〜っ!はい、チーズ」
カシャっと音が鳴った。