ちっぽけな奇跡のはなし



「ありがとうございます!
すごくいい感じに撮れました」


巴菜が嬉しそうに言うと、カレは笑った。


「楽しそうなキミを見てると、こっちまで楽しくなるよ」


「そ、そうですか?
なんかすみません。はしゃいじゃって」



そう言うと、カレは少しだけ怒った顔を
したけどすぐに笑った。



「冗談だよ。僕もとても楽しい」


巴菜はなんだかカレの真っ直ぐな視線が
恥ずかしくなって、かばんを漁った。


「あ、あのお菓子食べますか?」


「まるで遠足だ!」

カレは笑いながらも、お菓子をつまんだ。




< 85 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop