ちっぽけな奇跡のはなし
「ありがとうございます!
すごくいい感じに撮れました」
巴菜が嬉しそうに言うと、カレは笑った。
「楽しそうなキミを見てると、こっちまで楽しくなるよ」
「そ、そうですか?
なんかすみません。はしゃいじゃって」
そう言うと、カレは少しだけ怒った顔を
したけどすぐに笑った。
「冗談だよ。僕もとても楽しい」
巴菜はなんだかカレの真っ直ぐな視線が
恥ずかしくなって、かばんを漁った。
「あ、あのお菓子食べますか?」
「まるで遠足だ!」
カレは笑いながらも、お菓子をつまんだ。