ちっぽけな奇跡のはなし



「元気だった?ずっと」


「元気だったよ」


カレは海を見つめて答えた。


しばらく2人の間に
波の音だけが聞こえていた。



「悪かったよ、何にも言わずに引っ越してさ」


「わたしびっくりしたんだからね!
電話かけても繋がんないし」


聡太はバツが悪そうに俯いていた。




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