幼なじみと秘密の時間
和弥??
私が遠くを見つめていると、舞も私の視線を
辿る。
「あれって、和弥くん?」
「やっぱり、そーだよね??」
「何してんだろう」
私と舞は、気付かれないように近付いて行った。
柱の陰に隠れながら、様子を伺っていると
和弥の後ろにもう1人の姿が見えた。
2人は、コソコソと顔を近付けて話をしている。
「あれ…誰?」
「見たことないね。
しかもうちの学校じゃないし」
「ナンパかな??」
「そーじゃない?今、和弥彼女いないしね」
2人は、私たちに気付く様子はなく
突然女の方から背伸びをして、男の首に
手を回してキスをした。
うわ。
生で見ちゃった…。
男は女を受け入れるように、腰に手を回して
キスを続ける。
「全く。ここが外だって、わかってないのかね?」
舞が隣で、イラっとした様子で呟いた。
「和弥はいつもそうだから…今日だって…」
「え?今日…?」
私は、保健室でのことを思い出して
とっさに口走ってしまい、焦って喋るのを止めた。
「え?何でもない!行こっか」
「うん」
舞は、不思議そうな顔をしながらも
2人で駅の方に向かって、歩き出した。