幼なじみと秘密の時間
「和弥ーいちゃついてねーで、行くぞ!」


奏斗は、呆れた顔でこっちを見ると
高須の手を引いて、歩き始めた。


「先、行ってんぞー」



同級生たちも、そう言って歩き出す。



オレは蘭を抱き締めたまま、動けずにいた。



「和弥…どーしたの?

みんな行っちゃったよ?」




蘭は、不思議そうな顔で、見上げてくる。



「だからー、他のヤローたちに

見せたくない」



そう言うと、蘭はフッと笑った。



「ありがと。そんなに褒めてくれて…

うれしいよ!」



あーコイツ、マジでわかってない…。



オレは蘭の手を引いて、細い路地に入った。



「和弥?」



そう聞いてくる蘭を無視して、蘭を壁に
押し付けた。




< 179 / 254 >

この作品をシェア

pagetop