幼なじみと秘密の時間
昨日のキスは、自分でも記憶が定かでない。
和弥とキスした様な、曖昧な記憶で…。


「何かね、祐希と廊下で会ったはずなのに
キスされたらいつもと違うキスで、
和弥にキスされてるって錯覚しちゃって。
あんまり覚えてなくて。」


「私が聞いた話だと、蘭が祐希くんの首に
抱きついて、祐希くんも蘭のことを抱き寄せて
かなり濃厚なキスをしてたとか」



「ウソっ。あーーーもうヤダ…」


そんなのをみんなの前で公開しちゃったんだ。
しかも、和弥も見ていたなんて…。
恥ずかしくて、穴があったら入りたいよ。



「ねぇ舞、和弥はそれを見てから変に
なったんだよね?」


「うん」


「何でだろう。だって、和弥に何でも
話しちゃうから、知ってるはずなんだけどな」


「聞くのと見るのと違うからね。
まぁ私から見て、和弥くんは蘭に惚れてるからね。何でそれを、蘭に言わないのかわかんないけど」


「………」

舞には、そー見えてたのか。
自分でも、自惚れることは何度もあったからな。


「蘭もさ、色々ハッキリさせたら?」


「うん、よく考える」



舞は、静かに頷くと立ち上がった。


「じゃあ行こうか」


「うん」


私と舞は、遅れて学校へ向かった。




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