幼なじみと秘密の時間
真っ暗な道をひたすら走った。

走って走って…苦しい。


でも頭に浮かぶのは、和弥の笑顔。


和弥…和弥…


早く会いたい!!




息もかなり荒くなった頃、
ようやくお店に着いた。




「はぁ…はぁ…はぁ…」



息を、少し落ち着かせてから



ガラッ!!



思いっきり、ドアを開けて、
店の中に入った。



「あっ!蘭ちゃん、ごめんね」


「ううん、迷惑かけてごめんね」



店の奥に目をやると、カウンターに座って
すっかり寝入ってる、和弥の姿を見つけた。



この店で会ったのが最後。


久しぶりに見る和弥の顔は、少しやつれた
様な気がした。


私は、ゆっくりと和弥に近寄って頭を撫でた。



「もう…何やってんのよ」



会いたかった和弥が、目の前にいる。


目に涙が溜まるのを感じて、グッと
堪えた。



その時奏斗が、私の肩にポンと手を置いた。










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