おくすりのじかん
「それに 何か祥子じゃなくなってしまったような
何かあんまりキレイになってたから
それも戸惑った一つの原因なんだけど……」


綺麗になったって言葉が少し嬉しい。


「今までかまわな過ぎだったんだよ私……
ちょっと最近頑張ってるんだ」


「そっか~」
正也は笑った。


「とうさん 余命より早く進行してるから……
多分ここ数日が山だって医者にも言われて……」


「ママショックだろうね」


「とうさんにゲキ入れられていた。
おまえの強さに惹かれて一緒になったんだからなって
俺より強い人間じゃなかったら結婚しなかったって
何だか恋だの愛だのって次元じゃないんだウチ」


「あはは
そうだね~わかるわかる~
やんちゃの天下とってたパパだからね~」


そんな正也のパパと家の気の弱い父親が
何故にあんなに仲が良いのかが不思議だったから


「しばらく迷惑かけるけど頼むな」


「迷惑なんて言わないでよ。
私にとっても二人は大切な人なんだからさ。」


夏の太陽が力をともし始める・・・・・・。
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