おくすりのじかん
「あんたちゃんと食べてるの?」

病院の帰り母親が言った。

「食べてるよ」


「いや~何か感じ変わったから
少し痩せたのかい?一人暮らしちゃんとできてるの?」

「何よ今さら おかあさんが追い出したんだから~」

「人聞き悪いこと言わないでよ。
祥子がいつまでたっても成長しないからでしょ。
親だっていつまで元気でいられるのか
わかんないんだから……」

そう言うと母親は声を詰まらせた。


「そうだね ちゃんと自立するよ。
おかあさんの気持ちは今になって感謝してる」


私はいつも気の強い母親の背中を
ポンと叩いた。


「正也も大人になったし 安心だわ。
祥子も多分それなりに 頑張ってるって……
私たち四人で二人の子育てしてきた感じだから……
多分 信也も安心したでしょ ね?おとうさん」


「そうだな……これから一緒にまだまだ
旅行行ったり楽しもうと……」

父親が泣き
それを半泣きになった母親が
肩を抱いて一緒に歩き出した。


いいな・・・・ウチの親も

二人の後ろ姿に感動した私だった。
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