おくすりのじかん
久し振りに実家で過ごした。
たまに会う母親は上機嫌に いろいろ食べるものを
出してくれたり 父親は必死に
私の近況を把握しようと声をかける。

「それにしてもあんた 本当に綺麗になったわ
何かいい人でもいるの?まさかできたの?」

身を乗り出してきた。

「まさか まだ入社したばっかだし」
正也とは違うもん・・・・・・。


そう言えば正也の両親は茉鈴の存在を知ってるのかな


「そう言えば…ほらほらあそこの大邸宅
駒澤さん覚えてる?」

「公園の横の大金持ちの家?」


「この間 奥さんに会ったんだけどね
ワンコ死んじゃったんだって」

「そう」

金持ちのワンコの話をなぜか今するんだろって


「忘れちゃった?
あんたが家に連れてきて 捨てにいったワンコだよ」


「え!?」

私は思わず立ち上がった。


「え?おかあさん 何それ!?」

「うちでは飼えないから あんたに置いておいでって
言ったんだけどね さすがに私もさ気になって
戻ったらあそこのチビちゃんが 窓から覗いててね
あら あんたに話してなかった?」

驚愕の事実を話しだした。
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