おくすりのじかん
親なんてずっといるってそう思ってたから……
昔からの友人のせいか
ふざけた四人の親だったけど その中から
正也パパが……いなくなる……。



そう考えると鼻の奥がツンと痛くなった。

正也が私に助けを求めてくれていたのも
嬉しかった・・・・・・・。
私しか わかってあげられないことだから……。


あの子犬がお金持ちの犬になっていたのはビックリだった。
あの次の日 
交通事故で死んでしまったって


そう思っていたから
久し振りにあの子犬と別れた場所に足が向いた。


そしてその横に見える窓
あそこから お金持ちの子供がきっと
私と子犬のやりとりを見ていたんだなって


「ありがとね
あなたのおかげで あの子は
幸せな犬生になったんだね」


会ったことのない窓の向こうに住む人にお礼を言った。


そして意外に母親もいいヤツだったんだって


あの時教えてくれてたらよかったのに



あの子も十年の年月を超えて
天国へ旅立ったんだ…………。


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