おくすりのじかん
正也の目が潤んでいるのがわかった。
この弱さは 私にしか見せない正也だったから
思わず私は

心のままに
正也を抱きしめていた。


「大丈夫だよ・・・・パパがきっと守ってくれる。
正也がしっかりして安心してるから」


私よりずっと大きくてガッチリした正也を
まるで子供のように抱きしめていた。


「サンキューな・・・・」


その大胆な行動にいきなり我に返って


「じゃ……またね」


慌てて体を離して 早歩きで立ち去った。



顔が真っ赤で今にも爆発しそうだった。




私ったら どさくさにまぎれて
ずいぶん 大胆なこと・・・・・


首をブンブンと勢いよく振った。



あの正也を・・・・・正也を抱きしめた。
それも自分から



「なんてこと~~~」

大股で風を切って 歩いた。



ドキドキドキ・・・・・・
心臓が・・・・・心臓が・・・・・・・


告白もしちゃいないのに……順番飛び越えて
正也をこの腕で・・・・・

「ギャ~~~~」思わず叫んでしまっていた。
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