おくすりのじかん
いつもの毎日が始まった。

天ぷら揚げて から揚げ揚げて 海苔巻き巻いて

だけど変わったことが一つある。


「あだっちゃん~いい人いないのかい~」


「いませんって~」


「最近 綺麗になったよね~
おばさんの目をごまかそうとしてもだめだ。」


「恋の相談はさ 若い女より
私たちにしなさい。男と女の修羅場を知ってる
熟女集団なんだからね。あだっちゃんの軌道が
逸れないように見張らなきゃ」


みんなで笑った。


凜太郎のおくすりは 私の悪いとこたくさん
治療してくれている。

おばちゃんたちとも ちゃんと話せるようになって
最近はこの強い力をずいぶん力にして
仕事もこなせるようになった。


「おはよ~」

レジさんたちも声をかけてくれる。

「あだっちゃん 今日もお肌
ピチピチじゃん~うらやましいね~」

惣菜のおばちゃんよりはずっと若い奥さん集団


「いい人できたんじゃない?」


「できませんて~」

人と関わっていろんなことを収穫できることを知った。

変わってきた自分が 上手に笑えるようになっていた。
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