おくすりのじかん
タイムカードを押して トイレで化粧直しをした。
今までならそのまま まっすぐ帰るとこだけど
凜太郎から ファンデーションとリップだけは直してと
言われてそれからは 自分でも習慣になっていた。


白衣のキャップを脱いだら ちょっとボサボサで

これで会うのちょっと辛いかも・・・・


鏡の前で奮闘しながら 何とか
水で濡らしたりして ヘアーコロンも
持って歩くように凜太郎に言われていたけど
今日くらいありがたいことはない。


これで油くささからは少しは解放されるかな。


凜太郎の好きな香り

「いい匂い」

髪の毛にスプレーして トイレから出ると
男性社員数人と遭遇した。


「お先に失礼します」


「お疲れ様で~す」


後ろから聞こえてきた。


「惣菜の安達さん めっちゃカワイイよね」


「俺もそう思ってた~
最初イモだったけど スゲー変わったよな~」


イモはないだろ・・・・

だけど褒められるのは悪い気がしない。
帰ったら凜太郎に報告しなきゃ~
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