おくすりのじかん
「こんな高そうなとこいいの?」

店の入り口で躊躇した。
給料だってまだ 私と変わらないんだから


「今日は俺の気持ちだからさ」


「ラーメンでいいんだよ」


「いいって~行こう
ここ上手くいけば 芸能人にも会えるらしいよ」


「そうなの?」


正也の後に続き店の中へ


「いらっしゃいませ」
落ちついた声の初老の男性がやってきた。


「予約していた 大友です」


「大友さま いらっしゃいませ。
どうぞこちらへ」


店内は静かなジャズが流れている。


店はそこそこ混んでいるようで 私は場違いのような
店を緊張しながら進んで行く。


「こちらでございます」


予約席と置かれたテーブルは一番奥



椅子を引かれて緊張しながらやっと腰かけた。


始めて経験するオシャレなお店・・・・・
最近二回だけ居酒屋デビューしたくらいだから


「もうさ 料理はお願いしてあるんだ。
何でも食べれるだろ祥子は」


「うん」
落ちつかなく周りを見渡していた。
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