おくすりのじかん
私が料理に夢中になっている間に
ガラス窓越しに見える店は混雑し始めていた。

「やっぱすごい混むんだね。
美味しいもんね」


「俺らはラッキーだね~
なかなかこんな席では食べらんないから
向こうからこっちは見えないんだよ」


「さすがVIPルームだな~
こんなとこからさ 人を見下してるのかな~
自分が見えないのいいことにして~」


「そういう考え方もありか~祥子らしいな~」


声がしたから 振りかえると


VIPの専用入口からさっきの初老のウェイターが入ってきて
そのあとに入ってきたのは


モデルのメーリンだった。


「うわ」

ビックリして正也の顔を見た。


「あれ・・・あれ・・・・」


さすがの私だって有名人みたら慌てるよ!!!


「あんまりジロジロ見るなよ。
プライベートだからな~俺は二回目~」

正也は余裕の笑い。

「ずる~い
私なんか振りかえってジロジロ見なきゃ見れないよ」

損した感じ~

「ま いいけど。
こんなとこから 人を見下してるヤツらに関心ないし」

そうそう
人に隠れて だけどそこから見下して…格差を感じる。
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