おくすりのじかん
メーリンの声が聞こえてきた。


「ね~おぼっちゃま
久々なんでしょ?お父様には会ってるの?」


「素敵なお店よね~私は東京のお店より
こっちの方が好きなんだよね」


「あ~疲れた~~
今日の仕事けっこう ハードだったから~
でも 綺麗だった?私」


誰かと来てるんだけど 相手の声は全く聞こえない。
メーリンが一人で喋ってる。


「誰といるの?」
振りかえられないから 正也に聞いた。


「背中しか見えないけど 男だよ。彼氏かな」


「うわ~何かすごいもの見てるんだ うちら~」


面白話でもしてたら 週刊誌にでも売ってやろうか
な~んて


かなり私ってミーハーなのかも・・・・

正也が話かけたら思わず シーって言ってみたり


「だって相手一言も話さないんだよ。
第一声は何ていうのか気になるから」

「まったく~おまえ かなりのミーハーだな~」


正也が笑う。


「元気になったね。その顔 久しぶりに見たよ」


「だってさ祥子 けっこう笑わせてくれるからさ」


「だてに長く一緒にいないよ
正也笑わせるツボならまかせといて」

そうよ 無駄に長く一緒にいたんじゃないよ・・・・・ずっと……ずっと……
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