おくすりのじかん
そしてすれ違う瞬間に盗み見した私に
衝撃が走った・・・・・・・。


凜太郎!!!!


そこにいたのは不機嫌そうに 雑誌に目をやる
凜太郎で


私の知らない凜太郎だった。


心臓が壊れそうな衝撃


「ね~聞いてるの?」
メーリンの甘い声にも


雑誌から視線を外さない。


「ね~~~今夜はどうするの?
ホテル来る?」


ホテル・・・・・来る?


「行かない」
きっぱりとした短い声は冷たい声だった。


本当に凜太郎なの?
もしかしたら 双子だったりして?


だって見たことない洋服着てるし・・・・・・
負けずにモデルみたいだし・・・・・・


いろいろ考えてると

「祥子?」

先を歩いていた正也がいつの間にか遅れた私を呼んだ。


静かに顔をあげた凜太郎と目が合った。



時間が止まった感じってこういうこと言うのかな。


私と凜太郎だけの空気を感じた。


正也が戻ってきて 私の腕をとった。

「相変わらず歩くの遅いな おまえは」


混乱する私は 店を後にした。
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