おくすりのじかん
帰り道は 正也の話も上の空だった。

「どうした?」


「あ ごめん 何?」


さっきまで一緒にいられてすごく楽しかったのに
私はいったい どうしちゃったんだろ・・・・・・。


そんなこんなしてるうちに
部屋の近くまで来た。

「ここらへんだったよな」


「あ うん
ここでいいよ。ちょうどコンビニにも寄りたかったし……」


助手席のドアを開けようとしたとき

「祥子の部屋行ってみたいな」

正也が言った。


「へ?」
動揺する・・・・・・・・・。



「ダメだよ 突然すぎて 部屋汚いし……無理無理!!」

そうそう絶対に無理無理

「汚いのは想像つくから いいじゃん~」


「ダメ~~絶対ダメ~~~~
そういう時は時間の猶予が一か月ないとダメ」


「残念だな~じゃ一か月やるから掃除して
来月絶対行くから」


「え~~~~~」
思わず出たえ~~~は


「絶対ダメ!!!」

だって汚くはないけれど


凜太郎がいるもん・・・・・・・・。
男と一緒にいるって知ったら 想像するだけでNG


「ケチ」
正也は笑って車を走らせて次の道を右に曲がって行った。
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