おくすりのじかん
「今日……会っちゃったね……」


「会っちゃったね……ビックリしたわ……」

凜太郎から切り出してきた。


「ホテル行ったの?有名人と」
わざとに明るく振る舞う。


「聞こえてた?って言うか地獄耳だね」


一瞬恥ずかしくなった。


「だってまさか相手が凜太郎だって思ってなくて
有名人の恋路すっごく気になったから~」


「ミーハーだな~」


私の頬に触れるいつもの指


だけどさっきまで あの綺麗な人を抱いてたかもしれない指



一気に押し寄せた感情がいったい何なのかわからなかったけど
心が理解できないのに体が反応して

その指を避けた。


「ごめん・・・・・」

思わず謝る。


「ううん」


沈黙の時間・・・・・・。



「ホテル 行かないよ・・・・・。
だって俺の寝るとこ 祥子さんのベットだし・・・・・」


「いや そんな 凜太郎だって男の子だし
別に怒ってないんだよ~」

急に大人の対応をしようとするが
所詮恋愛経験ゼロ・・・・・・・。
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