おくすりのじかん
めったに目にすることのない雑誌に目をやる。
ここの客は金持ちっぽい人が多いような・・・・



ハサミが入っていきなり大量の髪の毛が
バサリと落ちた。


え・・・・・大丈夫?
こんなに切っちゃって・・・・・。


物心ついたころから髪の毛は
肩甲骨あたりまでの長さだから


一気に心配になってきた~~~~~!!


その時店が少しざわついて
私の担当の美容師が

「申し訳ありませんが少しお待ちください」と言った。


床の落ちた毛束を見て冷や汗が出た。
一部分が短くなった髪の毛・・・・・・
あの人ちゃんと似合うようにしてくれるのかなって
すごくすごく不安になった。


ふと顔をあげた鏡越しで目の合った人物に飛び上がりそうだった。



「凜太郎・・・・・」


「祥子さん どうしたの?」
凜太郎も驚きを隠せない様子で私だって驚いた。


「歩いてたら カットモデルってただって言うから……」

凜太郎の表情が一気に不機嫌になって私は驚いた。
始めてみるその表情があまりにショックだった。
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