おくすりのじかん
プリで微笑む私は天国だった心をそのまま写してた。


「祥子さん めっちゃカワイイ」

そんなこと言われていつもなら嬉しいけど
今の私は混乱している。


さっきまでつないでいた手はもう別々になっていた。


「ね どうして出て行くの?」

絶望に近い思いが 私を地の底へ沈めようとしてる。


「もう俺がいなくても大丈夫だよ。
めっちゃ輝いてるもん。
すごく自分を大切にしてるでしょ?
祥子さんが祥子さんを好きになったってこと」


「凜太郎がいるからだよ
キレイにしてくれるからだよ・・・・・」


「もう一人でも大丈夫だよ」


「ダメだよ 一人じゃ・・・・・・」


「ずいぶんどさくさに紛れて
甘えちゃったよね 俺」


「いいよ 全然まだまだいていいよ」


泣きそうになった。


「俺がいたら 事が進まないでしょ」


「進まなくていいもん」


凜太郎がいない生活なんて 考えられないもん・・・・・。
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