おくすりのじかん
「俺もさ 自分の夢 突き詰めに行こうと思ってる」


「夢?」


「そ 俺もっともっと勉強しなきゃ
もっともっと上を目指したいんだ」


凜太郎の横顔は大人の顔だった。


「それが今なんだよね。
祥子さんが気付かせてくれたから」


「何をよ・・・・」


部屋についたら 私はもう
涙をこらえきれなかった。


「泣かないで
俺 悲しませちゃった?」


「だって突然いうんだもん・・・・・」



「もうずっと前からの選択肢だったんだけど
まだ自分に自信が持てなくて……迷いもあったんだけど……
祥子さんがどんどん綺麗になっていく姿にさ
俺のやってることって結構やりがいのあることなんだなって」


「そうだよ
凜太郎のおくすりは 最高に効くもの……」



「よかった~
祥子さんも早く夢が叶って
正也さんと両思いになれるといいね。
もうひと押しのとこまで 来てるって俺は思うけど」


首を振った。
正也じゃなくて 凜太郎がいてくれたらいいんだよ・・・・。
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