おくすりのじかん
「来月さ イギリスに行くことにした」


「イギリス?来月って・・・・」

もう二週間きってる。


「むこうで勉強したいんだ
俺さ 一流のスタイリストになりたい。
今までは 親の仕事が 美容関係だったから
勉強も学校も好きじゃなかったから
親に言われるがままに この仕事についたんだけど
それなりに仕事もこなして
お得意さんもついたけれど……どこか
これでいいのかなっていっつも 自問自答してた……」



いつもの座布団の上に凜太郎が座った。



「そんな時 酔っ払いの祥子さんに会って
俺の歌聞いてめっちゃ泣いたり笑ったりして……
好きな人に告白する前に失恋してしまった
人生なんてもうイヤだとか
仕事が面白くないとか……フフフ・・・・・・」



「覚えてないもん」


「そうだから俺も助かった
まんまと部屋に居候させてもらえたし」


私の頭を静かに撫ぜてくれた。


「年下のくせに」


「だって祥子さんめっちゃカワイイからさ」

凜太郎の言葉が私の心の薬なんだよ
だから 出て行くなんて言わないで・・・・・
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