おくすりのじかん
「ね 祥子さん お腹すいた」


「あ・・・そうだね・・・・」


とりあえず お詫びに食事でもさせて
帰ってもらおう。


「ごめんね 何もないから・・・・・・」


実家に行ったとき 特売で買ったという
ホットケーキミックスを一袋もらったから


フライパンで フワフワに焼きあがるホットケーキ


正也がすごく褒めてくれたんだっけ・・・・・


正也が・・・・・・
あの頃の思い出がこみあげてくる。


「祥子なんでこんなにフワフワなんだ~
めっちゃ美味しい~~~!!」

そう言ってくれた正也はそれからしばらく
私に会うと ホットケーキーを作らせた。



今日は見知らぬ誰かのために
このホットケーキを焼いている・・・・・・



正也以外のそれも男に 食べさせるなんてね・・・・・



「牛乳飲める?」


「うん!!」


ミルクを温めて コーヒーとシュガーを
スプーン一杯づつ入れた。


乱雑なテーブルを大急ぎで片づけて
フカフカのホットケーキーを凜太郎の前に運んだ。
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