おくすりのじかん
それにしても いつ帰るんだろ……

食べたら帰ると思っていたのに
すっかり居ついている様子


凜太郎が動くのを待っているんだけど
一向に動く気配がないから


「ね もうそろそろ帰らなくていいの?」


失礼だけど帰れを催促してみた。


「あれ?俺 まだ仕事残ってるから」


「仕事?」


「やだな~それも忘れた?
しっかり聞いていたような気もしたんだけど……」


「え?何のこと?仕事って」


チンプンカンプンで首をひねる。


いきなり凜太郎が立ち上がって私の横に座ったから
驚いて体を離そうとした その時


「傷ついた貴女の心癒します」



ん?


「祥子さんは 重症っぽいから 働き甲斐あるな」


何かそれ思い出した・・・・・・!!


「いや 大丈夫 もうご心配なく」


「昨日 契約したんだよ
祥子さんが完治したって俺が確認できるまで
ここで働かせてもらうって」


「はぁ!?」


アップになると 涼しげな目元に吸い込まれそうになった。


慌てて目をそらす
だって正也だってこんな至近距離で見たことないんだもん!!
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