おくすりのじかん
「祥子さんには治療が必要だからね
俺に任せて!!」

「いやいや
治療なんて必要ないし…それに早く家に帰らないと
親心配するでしょ?訴えられたら困るもん」


「親?いいの いいの~
俺は全然自由人だから~」

「そういう問題じゃなくて……ここにいられてもね
迷惑だから」


凜太郎がベットから私を上目使いに見た。


ちょっと・・・・
そんな顔しないでよ・・・・・


あの日 公園においてきた子犬を思い出した。


「俺 行くとこないんだ
だから昨日 祥子さんと契約したんだ
俺が祥子さんの 心の治療する代わりに
ここに置いてって」


私は首を振った。



「無理無理~~~昨日もしもしも 私がそう言ったなら
それは酔っていたからで・・・悪いんだけど
ここにいてもらうのは無理
キミのこと全然知らないし・・・・・」



言葉を言い終わる前に 凜太郎が立ち上がった。


「何回も言ってるけど
キミじゃなくて………」


凜太郎が私の顎に手を添えて 上を向かせた。
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