おくすりのじかん
「見栄張っても仕方ないから……言うけど
私 今まで生きてきて他人にこんなに近づかれたの
生まれて初めてで……それも男の人とか……」

「わかってるって」

真剣な目をして私の前髪を かきあげる。


いや~~~こんなブツブツなのに~~~~
穴があったら入りたい
ちゃんとケアするんだったよ~~~~


そう化粧ってものも 大したしたこともなく
最近入社して 社会人としてのたしなみとか
私に向けて言われた素顔でお客様の前に立つのは失礼だとか


それで仕方がなくファンデとリップだけは 使うようにしたけど


「顔……ちゃんと洗ってる?」


女としてありえない言葉を
こんなイケメンに今 言われて


情けないやら恥ずかしいやら・・・・・・


「洗ってるよ もちろん」


目をそらしながら 答える。




プーーーーーーー


!?


凜太郎が私のいつのまにか膨らんでいた頬を
人差し指で強く推したから


口から空気が漏れた。



「ちゃんと洗ったらブツブツも消えるよ
手入れしなきゃね」

私より 何倍も可愛い顔した男に言われるなんて・・・・・
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