おくすりのじかん
「気持ちよかった~~」

上半身裸でバスタオルだけを巻いて 凜太郎が出てきた。

私は慌てて背を向ける。


「牛乳飲んでいい?」


「うん」


冷蔵庫から牛乳を出してコップに注ぐ姿を盗み見してる


何でスケベなおじさんみたい・・・・
慌ててまた背を向けた。


ゴクンゴクン

喉を鳴らして


「あ~~~うめ~~~~」


牛乳をそんなに美味しそうに飲む人がいるんだな




「さ!!ちょっと出かけてくるかな~」

凜太郎が言った。


「え?」


「お仕事 お仕事」


「仕事してんの?」


って言うか 私 凜太郎のこと何も知らない・・・・
苗字さえ 年さえ知らない


髪の毛がフワフワして柔らかそうだった。
鏡の前で 身支度を整えている。


いい男はどんな格好をしても素敵なんだな・・・・・


「鍵あるから 寝てていーよ」


まるで同棲しているカップルのよう

「ほんじゃ 行ってくるわ」
そう言うと私の顔を覗き込む。


「え?」

「行ってきますのキス・・・・」

「は?」


仰天した私を見て 凜太郎が爆笑した。

「うそうそ~~いってきま~す!!!」

ギターケースをしょって 凜太郎が部屋から出て行った。
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