おくすりのじかん
自分の部屋の窓を見上げると暗かった。


だよね・・・・・・


半分期待していた気持ちが下がりながら
カギを開けると電気がついていて

「え?」思わず慌てて靴を脱ぎ捨てた。


「おかえり~」

凜太郎が スウェット姿で牛乳を飲んでいた。


「ご苦労さま~」

笑顔を見て 胸が熱くなった。


「いたんだ・・・・・」
その思いを必死に隠そうと 目をそらすと


「え!?これって!?」


部屋の片隅に引き出しのついたボックスが
並んでおいてあった。


「ここ俺のもの置かせてもらっちゃったから」


「え!?ちょっと!!」


「引っ越ししてきたんで よろしくね」


ガランとした部屋に いくつもの見知らぬものが
増えていて私は慌てて見て回った。


「しばらくお世話になりま~す」

凜太郎はそう言うと私の顔を覗き込んだ。
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