おくすりのじかん
心のどこかでそれを望んでいたのかもしれない。
ずっとずっと孤独だったから
昨日があまりに楽しくて刺激的で

だから今日がいつもと違ったのかもしれない。


「祥子さん お腹減った」

大げさにお腹を押さえて

「餓死寸前!!!」と倒れ込んだ。


「大げさだな」そう言いながら私は
いつもなら適当なことしかしないキッチンで
二人分のうどんを作った。


他人のために何かを作るのは
正也のために焼いたホットケーキと
昨日流れ的に焼いたホットケーキについで


初の別メニューだった。


「祥子さんてさ 料理めっちゃ上手だよね」


凜太郎は本当に美味しそうにうどんを食べる。
嬉しかった・・・・・・


「あ~~まだ食べたい!!」

そう言うと私のうどんを覗き込んだ。

「あ~~~~~~~~~ん」


凜太郎が口を大きく開けた。


「あ いいよ ほら 食べて・・・・」
慌てて どんぶりを動かそうとすると


「あ~~~~~~~~~~ん」

私を見ながら自分の口を指さした。
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