おくすりのじかん
箸でうどんをすくって
初の試みに 挑戦する私の緊張感は ハンパない。


凜太郎の口にうどんを入れてやると
チュルチュル~と音を立てて 吸い込んだ。


「めっちゃ美味い~~!!」

頬が燃えそうに熱い・・・・・・・。


私から箸を奪って 凜太郎が今度は
私に

「あん」と言った。



「いいよ いいって~~
もう全部食べていいから~~~~」


恥ずかしくて立とうとする私の肩をおさえて
楽しそうに笑いながら
凜太郎は


「祥子さん あ~~んして」と言った。


心臓と血圧に悪い行為だと思う。


渋々口を開けた私に うどんが運ばれてきた。


どこに視線をやったらいいのか……悪戯にアップになる
凜太郎を必死にそらす。


「可愛いな~祥子さん 照れてる~」

頬が真っ赤になりすぎて 頭から火が出た。


「うるさい!!!」

思わず怒鳴った私を 一瞬キョトンとした顔した凜太郎が
わざとに覗き込む。


ドキドキドキドキ

昨日から初めての経験が多すぎて・・・・・・
凜太郎の治療はちょっと厳しすぎる・・・・・。
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