おくすりのじかん
「ね どうなってるの?」

さすがにいろんなものを 塗ったくる凜太郎に
不安を感じる。


「ダメダメ 見るのは完成後~」
鼻歌を歌いながら 悪戯っぽく私を見る凜太郎が可愛い……


いつしか凜太郎に対して芽生える気持ちは
弟のようで愛おしいペットのような
私にとっては家族で なくてはならない存在になっていた。


正面に向かって凜太郎がいつもと違う表情で
私をジッと見る。


ゾクッ


その真剣な目はまるで野生の豹みたいで
ドキドキした。


「ん!!いい!!」


スマホを持って 写真を撮る。


「いーね 祥子さん いい!!ホントにいいわ!!」


いいわ いいわと連呼されて
さすがに私もソワソワしてきた。


「何か見るの怖いんだけど……」

凜太郎にすがる。


「大丈夫だよ。新しい祥子さんが誕生した。
後はここ!!」


そう言うと 自分の胸をトントンと叩いて見せた。
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