おくすりのじかん
休み時間 凜太郎にLINEしてみる。


『何かね すっごく楽しいの
凜太郎の魔法のおかげだよ!!』


この興奮を聞いてくれるのは凜太郎しかいない。


「え?祥子 メールする人いるんだ」


振り返ると正也が立っていた。


「いや……」


「祥子が携帯を見てるなんて初めてだからさ」


そうだった 今まで
巷の人たちが夢中になって携帯を見ていても
私だけは 見る意味もなく
ただ何気なく持って歩いてるだけで

親からの連絡や
たまに来る 正也からのメールくらいで


「まだ ガラケーだけど」

そう言うと正也は笑った。


「今夜さ・・・・・・」
正也が言いかけると


「大友くん」と可愛い声がした。


あ!!!
この間の!!!
正也と一緒にいた・・・・・・


そうそう忘れていた・・・・・・
自分のことで 舞い上がっててここに
ライバルがいることを・・・・・・・・


上目使いで私を見た
目の中に星がたくさん見えるほど 大きな目・・・・・。
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