おくすりのじかん
「散々だった~」

勢いよくドアを開けると


「キャ~~~!!!」


「ごめんごめん~~手洗ってた~~」

凛太郎が目を隠して笑いながら去って行った。



慌ててバスタオルを巻いて


「今 見た?」と聞いたら


「声に驚いて 一瞬しか見てないよ~
ビックリした~」


「私の方がビックリよ~」


こんな裸体 頭に住みついたら気の毒すぎるわ!!


スウェットに着替えて 出て行くと


「ケーキだ!!!」凜太郎が騒いだ。


「早く食べなきゃデブになっちゃうから」


「そうだよ
祥子さんはダメ~
デブになっちゃうから」


「そうだけど 食べたい!!!」


「じゃ だべたら スクワット100回だな」


「100回でも食べたいの~
何かご飯だって食べた気がしなかったの」


「そーなんだ~帰り早かったね
俺の方が遅かったみたいだから……」


凜太郎に話したいことが山のようにあった。
< 97 / 187 >

この作品をシェア

pagetop