私立聖星魔法学園
「お待たせ、支度できたよ」



数分後、支度を整えたあたしは大きなキャリーバック一つと二つのさほど大きくない手提げカバンを持って部屋を出る




「なんだ、以外と早いな」




大介が床に座りながら少し驚いた表情で言う




「あんたと一緒にしないでくれる?5分で終わらせるって言ったでしょ」




さっきからのイライラもありつい冷たく言ってしまう




「なんだよ!俺は全然ダメみたいな言い方じゃねえか!」




「あら?なんか間違った事いったかしら」




「なんだと!?」




さすがにこれには怒ったらしく立ち上がりあたしに近づこうとしたところで聖夜が仲裁に入る




「お、落ち着いてください二人共!今はケンカしている場合じゃないんです!」




聖夜の言葉で二人の動きが止まる




「ケンカしてる場合じゃないってどういうこと?」




「今日の6時半までにあちらの世界に行かないといけないんです」




「別に早く行くのはいいけどなんでそんなきっかり時間制限があるんだ?」




そこで聖夜は言葉を濁した




「えっとですね・・・寮の門が8時までは開いてるのですが・・・・」




「なんだ、ならまだ時間あんじゃん」




「しかし8時までに学校や街の案内もしないといけないので」




「それは明日じゃダメなの?」




「・・・それはダメなんです」




そこで一度聖夜は口を閉ざし、言った





「明日は始業式なんです」





・・・・・・・・・・・・・・・・はい?






「今なんて?」




「で、ですから明日は始業式でして、お二人には明日から学校に通ってもらう事になってるんです」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?





(ちょっと待て、落ち着けあたし。一度今日の事を整理するんだ。えっと今日の昼にいきなり魔法やらなんやら言われて、放課後には変な黒いのが現れて襲われて・・・。で、結局聖夜んとこの学校行くことにして、今準備して、今の時刻はー・・・)




自分の腕時計の時刻を見る




現在6時45分



8時のタイムリミットまでおよそ1時間15分




明日の始業式が普通の学校と同じ時刻から始まるとしたら、残り時間およそ14時間もない




改めて聖夜を見る




申し訳なさそうな顔をしている聖夜がジョークでこんなこと言うわけがなく・・・





「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」








しばし沈黙が続いた
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