私立聖星魔法学園
その後、家の中庭に移動すると聖夜は今まで転送魔法に使っていた本をあたしたちの前に差し出した




「今から僕の魔法であちらの世界に行きます。準備はいいですか?」





言われなくても答えは決まっている






「もちろんいいに決まってんじゃん」





たとえこれから先なにが待ち受けていても、頑張ると決めたのだから






「では、二人共荷物を持って手をのせてください」





言われた通り用意した荷物を片手に持ち、もう片方を本の上にのせる






「それじゃあ行きます」





聖夜があたしにはよくわからない呪文を言う間に少しだけ後ろを振り返った






両親が死んでからずっと暮らしてきた我が家が目に映る






あたしは誰に聴こえるでもない小さな声で呟いた






「いってきます」






そしてあたしたちの姿は虚空に消えた







































「着きました。目を開けてください」




聖夜の魔法で移動し終わると聖夜が言った





恐る恐る目を開けるとそこに広がっていたのは―・・・
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