私立聖星魔法学園
「あのー・・・。決めるのってクラスじゃないんですか?」


編入手続きでは普通出てこない言葉(編入したことないから実際はわからない)に疑問をもつ



「お?なんじゃ聖夜なんも説明しとらんのか」



校長は聖夜をみて首をかしげる



「すみません。説明する時間がなかったものですから・・・」



軽く頭を下げながら謝る聖夜



「まぁ二人の編入は急遽決まったことじゃしのう。ワシから大体説明するとしよう」




ニコニコ笑いながらあたしたちを見つめ



「ここ『聖星魔術学園』では何十人と集まるクラスではなく、少人数の生徒と一人の教師で組む『チーム』で活動しておる。授業も大体この『チーム』で行うことになるのう。そして・・・」



そう言いながら自分の人差し指をくるくる回しだす




すると、部屋の奥にある棚の中から大きめの紙が一枚飛んできて校長の手に収まった




また指を動かすとその紙はひとりでに動き出し、あたしたちの見やすい高さに浮かんで止まる




「チームにはそれぞれ階級がある。この紙に書いてある通り上から『セラフィム』、『ケルビム』、『オファニム』の三つじゃ。君たちは編入じゃから一番下の『オファニム』のチームからじゃのう」



紙を見るとピラミッド式の図が載っている



「そしてまだ先の話じゃが、階級を上げるにはチームで『クエスト』に行ってもらわなければならない。受けられるクエストの難易度はチームの階級によって変わるから階級が高ければ高いほど難易度の高いクエストが受けられるようになるぞー。」



「貴方達二人は明日からの一ヶ月間は研修期間で主に教室での座学や軽い実践練習を受ける事になります。研修期間も今から決めるチームのメンバーで受ける事になりますから仲良くしてくださいね」



説明を聞くうちにあたしの頭の中にまた疑問が生じた



・・・クエスト?



(ちょっと待って、あたしは自分の魔力をコントロールできるようになるためにここにきたのになんかスゴイ話になってる気がするんだけど?)



チラッと横にいる大介を見たが、本人は目を輝かせながら先生たちの話を聞き入っていた



聖夜にも視線を向けるがあたしの視線に気づくと苦笑いを浮かべるだけだ



「まあ詳しい話は担当の教師から聞くといい。今日はそのチームのメンバーを決めて、聖夜に寮を案内してもらうどいい」



「では今からチームを決めます。二人共この石に触れてください」



そういってエイジィア先生は何の変哲もない手のひらサイズの石を持ってきた
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