私立聖星魔法学園
部屋の中は思っていたよりシンプルだった



広いワンルームの部屋にベットや机などが二つずつ左右に設置されていて、入ってすぐ左にはトイレとお風呂があるだろう部屋への扉、右には小さめのキッチンがある




はっきり言ってもともといた世界のアパートとなんら変わりは無かった





「ねぇ、あなた誰?」



不意に声をかけられた




部屋を見るのに夢中で声の主があたしを見つめているのに気づかず、慌てて声のしたほうへ顔を向ける





部屋の奥の方にあるベットの上に腰掛ける同い年ぐらいの女の子は、綺麗な長い水色の髪が印象的な子だった





顔は雑誌で見るような可愛いモデルのようで、座っているからわかりにくいが、スタイルも抜群だと見て取れる





「・・・ねぇ、あなたは?」





綺麗な人だなぁ、と見惚れていたあたしに再び投げかけられた言葉で我に返る





「あ、初めまして!今日からこの部屋でルームシェアさせてもらう中村恵です。よろしくお願いします」





そのまま軽く会釈する





「ルームシェア・・・・・・あぁ!おじちゃんが言ってた子か思い出した!」






すると優しく微笑みながら、予想通りのスタイル抜群さんがあたしの前に立つ





「私、ミナ・シーザ・クインデットっていうの。よろしくね恵」





言いながらあたしの手をとり握手をする






「え、えーと・・・シーザ・クワイ?」




「シーザ・クインデット・ミナ。めんどくさいからミナでいいよ」




「あ、ありがとミナ」




(意外と明るい子だなぁ)





同じ部屋の子が優しそうな子でホッとした




(そうだ、この際いろいろ聞いとこ)





「あのさミナって外人さん?」




「外人?」




「ほら名前がなんかカタカナだし長いし」




「あぁ、それは私たちの種族はみんなこんな感じよ。まぁ恵が考えてる外人さんってのには当てはまらないと思うけど」





「へ?それってどういう・・・」




「それよりも!」




ミナの言葉の意味が気になって質問しようとする言葉が遮られ、まずは荷物片付けちゃいましょ、とさっさと開いているベットの周りにおいてある荷物を開け始めた






「ちょ!?勝手に荷物広げないでよ!」





「いいじゃないちょっとぐらーい!・・・ん?なにこれ『これを飲めばあなたも夢のようなモデル体形を・・・」




「わ―――!!!それ以上はやめて――!!!」






結局ミナへの質問は荷物を全て片付けるまですることができなかった
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