~D*A doll~
想い
あたしの前で抱き合う美奈さん達2人をそっと見つめ続ける。
……あたし、これからどうしよう。
あたしに降り注ぐ3人の視線にはもちろん気づいている。
でも、さっきのキスを咲哉君に見られた。
まさか咲哉君がいるなんて思いもしなかった。
咲哉君……もう、完全にあなたに嫌われてしまったのかな?
咲哉君…。
咲哉君の事を考えると、どうしようもなく心が温かくなる。
そして、悲しくもなる。
もうあたしは拒絶されているのに。
自分でもこんなあきらめの悪い女だとは思ってもみなかった。
目の前が霞む。
あれ…?
あたし、泣いてる?
頭もふらふらしている。
そう言えばあたし…今日、2回も気絶してたな…。
力がフッと抜けてベッドに倒れこむ。
……あぁ。この感覚。
また意識失っちゃう。
薄れていく意識の中で、誰かがあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
「莉々香………」
その声は優しくて……どこか_____懐かしかった。