~D*A doll~
いやいや、本当に怖いって。
だから必死の抵抗で壁際まで逃げたけど……ベッドに逃げた、いや、逃げたこと自体間違いまくっていた。
「また新しい男か?」
龍翔の笑みが、ものすごく怖い。
「ち、ちが!あの人は…………」
待って。
なんて説明すればいいの。
父親の秘書ですー!なんて言えなくない?
「え、えっと?」
どうすればいいか慌てて考えるも、焦ってしまって何も思いつかない。
「さっさと吐け。お前の男なんだろ?」
いやーーーーーーーーーー!
「いや、だから、違って、遠藤さんは……」
「ち、父親の仕事仲間!!」
……………父親が、社長だってばれませんように。
「………は?」
「本当だって!!」
必死で言い訳するものの、龍翔は疑いの目を崩さない。
「ならお前からぷんぷん香ってる男物の香水の香りはなんて説明する?」
「こ、香水!?」
…………あ。
「これ、間違って買っちゃった香水を割っちゃっただけだから!証拠ならちゃんとあるよ!」
「ホントかよ」
「ホントホント!だから証拠あるって!」
どうやら渾身の説得により、疑いは免れたようだ。
ホッとするものの…。
「なら、行くか」