~D*A doll~
そして車を走らせ、聖龍の倉庫へと着いた。
車をそこらへんのスペースに置き、急いで倉庫へと向かう。
「……あ、咲哉さんっ!」
「ちわっす!」
聖龍の面子にも軽く手を上げるだけで、二階へと続く階段を登った。
登った先にはソファーに腰掛けている聖龍の幹部たち。
龍翔だけが見当たらなかった。
「咲哉さんっ!」
「おい、冬夜を呼ぶなんて一体何があった?」
「莉々香ちゃんが、倒れて呼吸がまだ荒いままで…!」
…………は?
「何でさっさと病院に連れて行かない!」
思わず叫んだところで、晃から厳しく言われていたことを思いだした。
莉々香のバックについている親が、ずいぶんヤバいと。
俺にわざわざ言ってくるぐらいだ。本当にヤバいんだろう。
_______誰だかは知らないが、もしも正規の病院に行けば…聖龍がその親に潰される可能性もあるし、問題が起こる可能性がある。
ならそれをこいつらは汲み取ったってことか。
……察しがいい奴らだ。
なんでわざわざ冬夜なんかを呼び出したのか理解できた。
「……わるい。冬夜、もう来るはずだから」
驚いた顔をしているこいつらに申し訳なく思って謝りを入れると、下がガヤガヤとうるさくなった。
……………お出ましか。
いつぶりに冬夜には会うんだろうか。
ゆっくりと、階段を見据えた。