~D*A doll~
「さ、サラ様!!」
黒服の大きな叫びが耳に入る。
「………イケメン二人のキス、あたし見たかったのにぃー」
……………まじでかよ。
皮膚がキレたんじゃないかというほど疼いている頭にそっと手を当てた。
確認すると、血はついていなかったのでとりあえずはほっとした。
しゃがみ込んでいた体勢からゆっくり起き上がる。
龍翔は未だ頭を抱えていた。
どうやら龍翔の方が被害が大きいようだ。
「……咲哉くん頭大丈夫ー?」
にっこりと笑いかけてきたサラさんにほんのりと殺意が湧いた。
「…………まぁ俺は何とか」
でも強く出れないからもどかしい。
それにまだ疼きは当然おさまるわけがない。
………生きてるかは分からないけど、とりあえず冬夜に報告だなと覚悟を決めた。