~D*A doll~
咲哉side*
咲哉side*
「莉々香……」
俺の声が、誰もいない屋上に響く。
俺は……莉々香に何を言った?
最初は、ただ莉々香が俺を聖龍の奴らに近づくために利用しているのか確かめたかっただけだった。
でも莉々香は本当に俺を見てて…。
あんな切なげな顔をされるとは思ってなかった。
で、俺は抱き着かれて。
そこでやめておけばよかったのに。
小さく聞こえた莉々香の「好き」という言葉。
莉々香の噂はよく聞く。
「好き」や「愛してる」という言葉を俺なんかに言うから、普段も使ってるなんて勘違いして、ただ何だか腹が立って…。
俺は、最低な言葉を口にした。