~D*A doll~
人形
屋上から去った後…廊下を走り去っているとき、多分クラスメイトの男達に声をかけられた。
「あれ!?莉々香ちゃぁーん??」
足を止め、声をかけられた方へと振り返る。
「って莉々香ちゃぁん!?泣いてんの?」
……もう、こいつらでいいや。
「も、あたし…ヤダぁー」
誰かの腕の中に飛び込む。
すると戸惑いながらも受け止めてくれて、ギューって抱きしめてくれる。
咲哉君とは違う臭い。
あたしの嫌いな、臭い。
咲哉君はほんのりとタバコの匂いがしたけど…こいつは、香水の臭いが半端ない。
でも、もう誰でもいいや。
この苦しみを一瞬でも忘れられたら。
「……ねぇ?あたしと遊んでくれる?あたしを…慰めてくれる?」