シリウスのかけら
さっきまでの優しい口調とは全然違ってる。

「やっぱり、昨日の人なんですか?」

里乃が真っ直ぐ前を向いたまま小声で聞いた。

「昨日の奴かはわからないけど、その男に付けられてる事は確かだ」

え?付けられてる?
じゃ、やっぱり…。

「いいか、絶対振り返るんじゃないぞ」

「はい」

「それと…、俺の側を離れるな」

「はいっ」

それは任せてっ。
離れろって言われたって、離れないもんねっ。

…。
…。
…。

「その角を左だ」

…。

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