シリウスのかけら
「探せっ!探すんだっ!」

東郷は膝をついて顔が地面にくっつくぐらい引っ付けて探し始める。
そんな東郷をよそに、

「大丈夫か?」

と、高木が近寄って来た。

「高木…」

「大丈夫?涼子」

「里乃こそ」

「ん、なんとか」

「東郷さん、じゃ、俺らは、これで」

はいつくばる東郷の頭の上で、男が冷たくそう言った。

「なにぃ?」

東郷はそのままの体勢で、首だけ上げて、男を見る。
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