シリウスのかけら
なんなの、この緊張感。

「…」

「…」

柳沢さんは、不意に立ち上がってシャッとカーテンを閉めると、ゆっくり元の椅子に座って、テーブルの方へ身を乗り出すから、私たちも全員、身を乗り出して、顔を寄せ合った。

「…シリウスは、砕けてなんか、いないんだ」

……………。
は?
シ〜ン………。

「だから、シリウスは、無事なんだよ」

へ?シリウスが無事?
うそっ?
あんなに見事に砕け散ったじゃない。私、見たもんっ。
< 237 / 265 >

この作品をシェア

pagetop