シリウスのかけら
「…どういう事、ですか?」

新谷さんが、不可解そうに声を潜めて尋ねる。
そうよ、それ、聞かなきゃ、わけわかんない。

「つまり、お前たちの目の前で砕け散ったのは…」

砕け散ったのは?

「『偽物』だ」

「偽物〜っ!」

「バカッ、声がでかいっ」

うっ、ごめんなさい。でも〜、うそでしょ?

「あれが偽物?…じゃ、本物は何処に?」

新谷さんが、柳沢さんに詰め寄る。

< 238 / 265 >

この作品をシェア

pagetop